director's voice

KUUSI6(クーシ) フェルト 東京

Q1
フィンランド語で数字の「6」と「もみの木」という意味を表すKUUSI(クーシ)さん。
工房からの風にどのような作品を出品なさいますか?

A2
羊毛を圧縮して成形したバッグやマフラーと小物では小皿やポーチなどを出品します。
2016年に出展させて頂いたときは、バッグを中心に展開させて頂きました。
今回の出展ではマフラーの色や柄を充実させ今まで取り入れたことのない色目のものや新しい柄にも挑戦してみました。

今年のテーマが「火」から燃ゆる色を連想し、赤い色のバッグを作りたいという気持ちになりました。
今回の工房からの風への出展では、赤い色のバッグを多く出品させて頂いています。
また、持ち手と本体が一体化した新しい形のバッグも作成しましたので是非手に取ってみてください。

Q1_1

Q2
ご自身の工房の中で、特に大切にしている場所、あるいは部分、印象的な場所、空間、または、道具の写真を1カット撮ってください。
そして、その説明をお願いします。

A2
自宅の狭い一室を工房とし、防水シートを敷いたテーブルの上で作品を制作しています。
この写真は石鹸水で水浸しにした羊毛をキャンバスにして、ニードル一本を片手に一針、一針、刺しながら
羊毛の線で柄を入れているところです。
どの写真にするかいろいろ悩みましたが、この作業をする時間が好きでこの写真にしました。

この時期だとちょうど15時くらいに、向いの窓からテーブルにやわらかな西日が差し込みます。
充実した工房とは言えないのですが、オレンジ色に染まった午後の落ち着いた空間で、じっくりと羊毛に柄を入れているときが、
私にとって集中して制作に向き合える大切な時間です。

Q2

Q3
KUUSI6さんにとって、ものづくりの種火ともいえる、きっかけや動機、大切な人や物との出会いについて教えてください。

A3
小さい頃から絵を描くことや手を動かしてものを作ることが好きだったので、その頃から種火はあったのかもしれません。
でもその頃は何も考えてはいなくて、ただ楽しいと思っていただけでした。

その種火がしっかりと灯っていることを認識したのは美大の実技試験の時だったように思います。
「壁画のある風景」というテーマが与えられ、そこからイメージする絵とその絵を説明する論文を作成するという内容でした。
ひとつのテーマから頭に浮かんだことを何もない真っ白な用紙に不思議とすらすら描き上げていくことができました。
今思うと恥ずかしくなるような仕上がりの絵だったように思いますが、そのときは自信を持って描けたと思っていました。

試験なので緊張はしていたと思うのですが、何もない所から形にしていく作業がとても楽しくて、
こういうことをずっとしていきたいと強く思ったのを覚えています。

美大を経て、何年か後に羊毛という素材に出会いました。
羊の原毛という状態からいろいろな立体物ができあがることやそこから広がる世界を自由に作ることが楽しくて今に至っています。

Q1_3

KUUSI6さんの出展は二回目。
前回の2016年の初出展時には、たくさんのお客様に囲まれてどこかびっくりしたような表情の大楽さんが印象に残っています。

その後は闊達に制作発表を続けられて、作品の完成度やヴァリエーションも増えてこられましたね。
そして愛らしさとともにあるあたたかなフェルトなのに感じる透明感のようなすっとしたデザインはますます磨きがかかっているように関しています。

今回の五行テーマ「火」から連想された「赤」のシリーズも人気が高そうですね。

Q1_2a

KUUSI6、大楽久美さんの出展場所はおりひめ神社の境内に入って左側。
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